
バケッタレザーとは:素材と経年変化
バケッタは、植物タンニンでなめした牛革です。名称はイタリア語の vacchettaに由来し、革業界では特定の色や仕上げではなく、なめし方と原皮を表します。
多くの方が最初に出会うのは、一部の高級バッグのハンドルや縁取りに使われる、淡い色の無染色の革です。初めは明るいクリーム色に近く、使用とともに大きく色が深まります。これは最も知られたバケッタですが、数ある仕様のひとつにすぎません。
この言葉が示すのは原皮のなめし方であり、仕上げ方ではありません。両者は別々に決められます。バケッタは、無染色のままにすることも、透明な染料で内部まで染めることも、薄く顔料を重ねることも、不透明な顔料で全面を覆うこともできます。このうち経年変化が育つのは、最初の2つだけです。
バケッタレザーとは何ですか?
バケッタは、数時間ではなく数週間をかけて植物タンニンでなめした牛革です。植物タンニンなめしの伝統が特に深く根付くトスカーナと、強く結び付いています。
ここは、よく確かめておきたい点です。自分が求めていたものを購入できるかどうかを分ける、大切な違いだからです。
バケッタという名称は、なめし方を示します。仕上げは別に選ばれ、次の4種類すべてが可能です。
| バケッタの仕上げ | 表面にあるもの | 経年変化は育つか |
|---|---|---|
| 無染色 | 何も重ねない | はい。伝統的な仕様で、最も大きく変化します |
| アニリン仕上げ・透明な染料 | 繊維の内部まで染色し、顔料は使わない | はい |
| セミアニリン仕上げ | 薄い顔料層 | いいえ |
| 顔料仕上げ | 全面を覆う不透明な塗膜 | いいえ |
光に反応するタンニンは、どの仕上げでも革の内部に存在します。反応できるかどうかを決めるのは、その上を覆うものがあるかどうかです。透明な染料は繊維を厚みの奥まで染め、銀面には外からの作用が届く状態を保ちます。一方、顔料の塗膜は、どれほど薄くても表面を覆う層となり、反応が革に届く道を塞ぎます。
そのため、バケッタという名称だけでは、経年変化を約束することにはなりません。 約束されるのは、原皮のなめし方です。経年変化を求めるなら、確かめるべきは仕上げです。無染色、またはアニリン仕上げであることが、その答えになります。
アニリン仕上げまたは無染色のバケッタでは、経年変化に必要な3条件が同時に揃います。植物タンニンなめし、フルグレイン(銀面を削らずに残した革)、そして革と外の世界の間に顔料がないことです。多くの人がバケッタという言葉で思い浮かべているのは、この組み合わせです。ただし、名称だけでそれが保証されるわけではありません。
バケッタの素材と製法
バケッタを形づくるのは3つの選択です。いずれも、作り手が革を裁断するより前に行われます。
原皮。 牛の皮を使います。仕上げで隠すことができないため、高い品質が必要です。冷涼な気候で育つ牛の皮は、コラーゲンがより密で、銀面が引き締まる傾向があります。
なめし。 栗やミモザなどの樹皮から得た植物タンニンを、ドラムの中で数週間かけて原皮に浸透させます。タンニンは厚み全体に結合します。また、革が光に反応し、経年変化が育つことを可能にするのもタンニンです。
別に選ぶ仕上げ。 経年変化を育てるバケッタには、まったく着色しないか、表面を覆わず厚み全体に浸透する透明な染料を用い、銀面の表情を見えるままに保ちます。つまり、アニリン仕上げです。顔料で仕上げることも可能ですが、その場合は熟成する変化のない植物タンニンなめしの革になります。
私たちのPerpetual Leatherも、この方法で生まれます。繊維が最も均一に走る背筋に沿った帯状の部分、ダブルベンドの中心から、厚さ2.0 mmのフルグレインのバケッタが選ばれ、40日間かけてなめされます。
バケッタは本物の革ですか?
革本来の姿に極めて近い素材です。そして、ここでの誤解は、一般的な思い込みとは逆方向に生じます。
仕上げをしていないことを未完成と捉え、表面にコーティングがない革は安価だと考える方もいます。実際は逆です。仕上げは原皮の弱点を隠すため、仕上げなしで販売できるのは、良い原皮だけです。
バケッタの経年変化
これこそ、バケッタが選ばれる理由です。
バケッタは色が深まります。無染色の革は淡い色から始まり、蜂蜜色を経て、深い琥珀色へと移ります。染色した革は元の色を起点に深まります。淡い色から始まらなくても、その変化の確かさは同じです。どちらも均一には変わらず、手で触れる部分や光が当たる部分ほど早く変化します。縁には艶が生まれ、銀面の表情は、新品のときよりも時とともに明瞭になります。
その仕組みを担うのはタンニンです。光に反応し、日光のもとで変化することで、革の表面ではなく内側から色を深めます。そこに、使う人の手が加わります。温かさ、圧力、摩擦が、手で持つ部分に艶を生みます。
こうした変化は、タンナーで施せるものでも、急がせられるものでもありません。ひとつの品を、ひとりの人が持ち歩いた記録であり、別の品に同じように現れることはありません。
水の跡や色の濃い部分も、同じ変化の一部です。 開かれた銀面は水分を吸収するため、雨のしずくが跡を残します。多くは周囲の革の色が深まるにつれて目立たなくなります。残るものもあり、それも使った記録の一部になります。
バケッタを実際に傷めるのは、ほかの革も傷めるもの、つまり持続的な熱と長時間の直射日光です。通常の日の光と日々の使用は、むしろこの革が求めるものです。
バケッタの汚れ落としとお手入れ
必要なお手入れは、思うよりも少なめです。手を加えたくなる気持ちこそ、主なリスクになります。
- 新しい品に触れる前は、手を清潔にしてください。 最初の数か月が、経年変化の方向を決めます。
- 柔らかい乾いた布で、ほこりを払ってください。 新しいバケッタには、湿ったものを使わないでください。色が深まるまでは、水の跡が残りやすいためです。
- 跡が落ち着くまで待ってから、処置を考えてください。 多くは周囲となじみます。すぐに手を加えると、元の跡より目立つ跡を残すことがあります。
- 温かさとやさしい圧力で、軽い擦り傷をなじませてください。清潔な指か柔らかい布を使います。革には、軽い跡を取り込んで目立たなくする力があります。
- 保革ケアは、少ない頻度で軽く行ってください。 年に2回で十分です。バケッタは何を塗っても色が濃くなるため、まず目立たない場所で試してください。
- 暖房器具や直射日光を避けて保管し、日々持ち歩いてください。ダストバッグに入れたままのバケッタには、変化が育ちません。
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